シーズン終了は突然に…

今季最終戦の前日には、降り続いていた冷たい雨も上がり、晴れマークが踊る試合当日の天気予報を横目に、選手達は最終戦に向けて、徐々に気分が高まっていくのを感じながら、各々試合前夜を過ごしていた。
そうして迎えた2011年シーズン最終戦となる12月10日(土)の早朝、なんちって監督の携帯に一本の電話が鳴り響いた。
電話の主は、二子玉川緑地運動場事務所を名乗る女性の声。
すると、寝起きで頭の整理がつかない監督に構うことなく、電話の女性は話を続けた。

「本日のグラウンドの使用は中止になりました。」

え?中止?
そんなバカな!
慌てて監督が外の景色を見ると、冬の日差しがベランダの鉢植えを優しく照らしている。
さっぱり事態がよく飲み込めないまま、電話口の向こうの女性に理由を尋ねてみた。

「霜が降りてしまい、ぬかるんでしまうので、申し訳ありませんが、終日中止とさせていただきます。」
そう話すと、女性は申し訳無さそうに電話を切った。

まだ底冷えのするリビングルームに、携帯電話を握り締めたまま呆然と立ち尽くす、なんちって監督。
ふとベランダに目をやると、鉢植えの一輪のバラが、冬の日差しを浴びながら柔らかな赤色を帯びていた。

こうして、晴れ渡った冬空の下でユニフォームに身を包むこともなく、はたまた、忘年会で古葉監督芸を披露することもないまま、青空ドリームスの2011年シーズンは、あっけなく終わりを告げた。

   

電話を切ってもなお、なんちって監督は、未だ事態を冷静に受け止められないでいた。
心配していた雨も2日前には上がり、好天も続いていたのに、なぜこんなことが起きるのか!?
誰もが予想しえない展開に、その理由を懸命に探し出そうとしていた。
と、その瞬間、監督の脳裏に何かが閃いた。
まさか!
あの呪い…?

思い返してみると、西武ドームのイベントマッチで、華々しく今シーズンのスタートを切ったものの、大震災による中断を挟みながら連戦連敗が続き、あげくシーズン終盤にはメンバー集めにも事欠くような事態に陥るなど、チームは危機的な状況を迎えるに至っている。
決して強いチームでないことぐらいは自覚しているが、今シーズンの1勝6敗は、あまりに実力とかけ離れた成績だ。
明らかに、チームの中で、微妙なズレが起きはじめている。
一体、青空ドリームスに何があったというのか?

そう考えた時、監督の頭の中に、ある一人の女性の存在が浮かび上がってきた。
つい先日、その彼女はこう話していたという
「そういえばぁ、青空ドリームスが勝ったの見たことないなぁ~」

もう、お気づきだろうか。
彼女がチームに参加したのが去年の忘年会。
思い起こせば、そこからチームの不調は始まっているとは考えられないだろうか。
更に、今シーズン上げた唯一の勝利は、彼女を欠いて参加した大会で上げた1勝だ。
つまり、彼女がグランドに現れた試合ではことごとく負けを喫し、彼女が現れなかった唯一の試合で、今シーズンの唯一の勝利を上げたということになる。
果たしてこの偶然の一致は、一体何を意味するのか?
そうして迎えた今回のシーズン最終戦。
我々取材斑は、にわかに信じられない事実を発見した。

まずは、12月10日最終戦の参加者のエントリーを示したサイトの履歴をご覧いただこう。

 

 

更に詳しく見てみると。

 

 

そう、心配されていた雨も上がり、天気予報も晴れとなって、誰もが最終戦の開催を信じて疑わなかったその時、彼女は、人知れずエントリーを行っていたのだ!
やはり、この瞬間に最終戦の運命の歯車が変わってしまったのかもしれない。
この24時間後、まさかの試合中止を迎えるとは、神様ですら予想できなかったであろう。

更に、もう一つ付け加えるとすると、
この日のグランド中止は、実は世田谷区だけの処置であり、渋谷区は通常通りにグラウンドが使えていたのだ。
何もこんな日に限って、久保田の滅多に当たることのない世田谷区の抽選が当たってしまい、よもやの最終戦になるとは、もはやありえない不運が重なったとしか言いようがない。

果たしてこれら全ての出来事は、彼女の存在が為せる業なのであろうか?
にわかには信じ難い話なのではあるが、今シーズンの不調は、もはや彼女の存在を抜きにしては語れない出来事が、あまりに多すぎるのだ。
まさに、ボストン・レッドソックスにかけられた「バンビーノの呪い」や、シカゴ・カブスにかけられた「山羊の呪い」のように、
青空ドリームスに「カーリーの呪い」が、かけられたというのであろうか?
この勝利の女神に見放された試練を、チームは乗り越えることが出来るのか。
いずれにしろ、その答えは、来シーズンのドリーマー達自らが証明してくれるはずだ。

    

試合中止が決まってから数時間が経った昼下がり。
季節外れのポカポカ陽気を恨めしげに眺めながら、なんちって監督は決意を新たにしていた。

来シーズンは、なんとしてでも「カーリーの呪い」を解いてみせるんだ!
チームのみんなも期待に応えて活躍してくれるに違いない!
そもそも「カーリーの呪い」なんて、存在する訳がないさ。

と思ったその時、不意に監督の携帯電話が鳴った。

  

「あのぅ…赤堀です…。
グラウンドに着いたら…誰も、いないんですけど…。」

  

チームにかけられた「カーリーの呪い」は本当に存在するのか?
信じるか信じないかはアナタ次第…
  

   

 

   

いやぁ、来シーズンの青空ドリームスがどうなるのか、ますます楽しみですね。
来シーズンの青ドリの活躍を、皆で祈りましょう!(笑)
ということで、来年もご愛読の程よろしくお願いします!

  

 

   

   

One Comment

  1. [...] と、ここで思い起こしてみて欲しい。 丁度1年前にも同じような状況で急遽中止になった最終戦のことを。 そしてあの時、中止を知らずに無人のグランドで一人佇む赤堀の姿があったこ [...]

Leave a Reply