12月15日(土)対ソケッツ戦 2012年シーズン最終戦

2012年シーズンの締めくくりとなる最終戦が、終始、体の震えが止まらない壮絶な試合になろうとは、果たして誰が予想出来たであろうか…
否、試合前から誰でも充分に予想できた?

試合前夜、星のエントリーで辛うじて9人が揃うことになったドリームス。
しかし、その時点で、天気予報の降水確率が指し示していた数字は、試合開催がなんとも微妙な50%。
実際、朝から断続的な降雨に見舞われ、気温も10度を下回るという、草野球を行うにはあまりに酷なコンディションで試合当日を迎えることとなった。

そんな空気を読んでか、柳澤マネージャーがドタキャンとも受け取れる?ウェブスケジュールのエントリーを試合直前こっそり書き換えてみせれば、新GMと噂される稲村やなんちゃって小河原監督の元には、選手達や果ては審判までもが、相次いで中止ですよね?的な問い合わせをしてくるなど、もはや試合開催は困難な状況かに思われた。
しかし、ある一人のドリーマーの最終戦にかける想いが、そんなチームを試合開催へと突き動かすことになる。

試合開始の3時間前となる午前10時、ほとんどの選手達が身支度をためらっている中、降りしきる小雨をものともせず、一人、千葉の柏から二子玉川へと向かう、ある男の姿があった。
その男の名は赤堀。
度重なる脱臼を克服して、今シーズン見事復活を果たしたあの選手だ。
と、ここで思い起こしてみて欲しい。
丁度1年前にも同じような状況で急遽中止になった最終戦のことを。
そしてあの時、中止を知らずに無人のグランドで一人佇む赤堀の姿があったことを。
あの忌まわしい記憶が再び脳裏に蘇る中、柏という地がそうさせるのか、チームの誰よりも早く二子玉川を目指す決断を下した赤堀。
文字通り、後戻りの出来ない戦いに出掛けんとする男を前にして、稲村と小河原は、今更中止と言い出す事など出来る筈も無かった。

かくして、みぞれにもなろうかという小雨が降りしきる中、足取りの重いドリーマー達とドタキャンし損なったマネージャーがグランドに姿を見せると、2012年シーズン最後となる試合が始まった。

  

  

最終戦の対戦相手となる「ソケッツ」チームは、前回ドリームスの助っ人として参加してくれた桜井選手の会社関係のチームで、結成間もない、まだ勝利の味を知らないフレッシュなチームだ。
しかも今戦は、最近、秘密主義が目に余る角田GMに変わって、GM就任が噂される稲村の手腕によって実現した試合でもあり、勝利の行方いかんによっては、いよいよ世代交代も現実味を帯びてくる重要な一戦でもあるのだ。
ましてや、新興チームが相手なだけに、キャリアに勝るドリームスが優位との戦前の予想もあってか、新GM誕生はもはや決定的かに思われた。
しかし、そういったチーム事情やアドバンテージも、この試合に限ってはなんの効力もないことを、ドリームスは嫌というほど思い知ることになる。
雨が降りしきる人影もまばらな河川敷のグランドで、両選手達が白い息を吐きながら懸命に体を暖めて試合の準備が整うと、程なくして審判のプレイボールのコールが雨音を遮るように響き渡った。

  

  = STARTING ORDER =

  1 LF / Iketani
  2 C  / Inamura
  3 SS / Ihashi
  4 2B / Akahori
  5 CF / Shimotashiro
  6 3B / Umegawa
  7 RF / Kubota
  8 P  / Ogahara
  9 1B / Hoshi

  

初回先攻はドリームス。
久々に戦列に加わった池谷が、しっかりとした足取りで先頭打者として打席に向かう。
…ん?
しっかりとした足取りで?!
そう、池谷といえば、近年は、ドタキャンキングの名を欲しいままに、めっきりグランドでその声を響かせることも少なくなり、たまにグランドに現れたかと思えば、真っ赤な目をして千鳥足で打席向かう姿しか見せたことのなかったあの男が、あろうことか、澄んだ眼差しで真っ直ぐ打席へと向かわんとするではないか。
前夜、仕事を終えると、日課となっているネオン街ルートを素通りして帰宅したという、まさにナインの誰もが耳を疑うこの男の行動が、最終戦に雨を降らせたといっても過言ではないのだが、そんな男の未だかつて無い意気込みに、ネオン街のオネエチャンではなく、草野球の女神が微笑んでみせるのだった。
雨でぬかるむ足元をものともせず、バットを振り抜いた池谷の当たりは、なんとレフト前への鋭いヒットとなり、ベンチで凍えていたドリーマー達も、まさかの当たりに一瞬にして盛り上がりを見せる。
そのまま勢いに乗ってか稲村もヒットで続くと、相手投手の制球難もあって、四死球による押し出しで初回から2点を先制してみせるドリームス。
更に、その裏の守りでは、小河原が無失点の立ち上がりをみせ、続く2回表の攻撃でも四球を絡めて1点を奪うなど、試合序盤はドリームスペースの展開で進んでいった。

  


初回、先頭打者でいきなり目の覚めるような当たりを放つ池谷選手

  

ドリームスが優勢のままゲームが進むかと思われた2回裏の守り。
相手チーム以外の大敵が、突如ドリームス守備陣の前に立ちはだかることになる。
試合前から降り続く雨は一向に止む気配を見せず、グランドのコンディョンが悪化の一途を辿ると、やがて、マウンドが足の踏み場も無いほどにぬかるんでしまい、泥まみれの中、もがくように投球を続ける小河原。
しかし、そんな小河原の必死のピッチングも、審判の判定はことごとくボールとなり、あっという間に塁上を賑わせてしまう。
それでも、たまに入るストライクで、相手打者を辛うじて打ち取ってみせると、今度は、雨で体が完全に冷え切ってしまった野手陣の固い動きが、エラーやヒットを誘発し、ただでさえ無いチームのリズムが、みるみると失われていくのだった。
こうして守っている時間が長引いていく間にも、グランドコンディションは益々悪化し、選手達の動きも一層鈍くなるという悪循環の連鎖の前に、為す術を無くすオヤジ達。
結局、この回だけで、なんと大量11点もの失点を献上し、あっさり逆転を許してしまう。

  


ボールやスパイクがあっという間に泥まみれに

  

よもやの大差をつけられ、一気に敗色ムードが漂う中、8点差を追ってのドリームス3回表の攻撃が始まる。
すると今度は、ドリームスの守備を苦しめたグランドコンディションが、一転してドリームス打線に味方する。
もはや田んぼのようになってしまったマウンドに、同じように相手投手も苦投を強いられると、いきなりの3連続四球でドリームスにもチャンスが訪れ、この絶好の場面で、今日だけは、やけにボールが止まって見えてしまう池谷が打席に入る。
すると、ここでも会心のヒットを飛ばして、ランナーをホームに迎え入れチームを勢いに乗せると、その後、赤堀、下田代、梅川の3連打が飛び出すなどして、なんと一挙に7点を奪い返して、見事1点差にまで詰め寄ってみせるのだった。

  


あろうことか、ドタキャンを画策していた?柳澤マネージャー

   

  

その裏、ぬかるんだマウンドでむち打ちを起こしてしまった小河原に変わって梅川がマウンドに登って好リリーフをみせると、逆転の期待が掛かる4回表ドリームスの攻撃に突入する。
すると、一死後、この日絶好調の池谷が、今度は粘って四球を選んでみせクリーンアップに望みを託すと、ここで迎えるは、稲村、伊橋のクリーンアップコンビ。
しかし、絶好の場面で、両バットに逆転の一打が期待されたものの、残念ながら快音が聞かれることはなく、この回の攻撃を無得点で終えることとなった。
結局、試合は、その裏に梅川がソケッツ打線に掴まってしまうと、そのままタイムアップを迎えてあえなくゲームセット。
まさに、文字通りの泥試合の様相を呈した最終戦は、ドリームの敗戦でもって2012年シーズンの幕が降ろされた。

  

 DREAMS | 2   1 7 0 |10
 SOCKETS| 0 11 0 × |11
 ※詳しい成績・結果はコチラで 

 


2安打2四球の大活躍に、ボールが止まって見えて仕方がなかった池谷選手

  


泥まみれのユニフォームが、GM就任への意気込みを物語っている?

  

激闘の末、またも勝利が叶わなかった青空ドリームス。
ところが、そんな負けを喫したばかりにも関わらず、一様にほっとした表情を浮かべるドリーマー達の姿が…
それもそのはずで、帽子のつばからは雨が滴り落ち、スパイクは泥にまみれ、雨で濡れた冷たいユニフォームに身を包む選手達。そんな彼らにとっては、負けた悔しさよりも、苦行から開放されたかのような安堵感が上回る、良くも悪くもメモリアルな一戦でしかなかったのだ。
ただし、一人、晴れやかな表情でユニフォームを着替える男の姿が見られた。

   


試合終了後、疲労感漂うベンチの中で、ただ一人ご機嫌な様子のしらふのオッサン

  

これで1勝5敗となり、今シーズンも負け越しで終えることになった青空ドリームス。
この日の試合もそうであったように、試合序盤は拮抗した展開を見せるものの、中盤以降になると相手に引き離され、大差で負けるパターンが目立つようになってきたのが、なんとも気掛かりだ。
チームの高齢化やマンネリ化が進み、年々、スタミナや集中力の衰えが目立つようになってきたことが主な要因であると考えられ、この先、GMの交代も含めた、何かしらのカンフル剤を注入しがならチームの浮上を図っていくのか、それとも、ありのままを受け入れ、オヤジの悲哀を背負ったチームとして生き続けていくのか、大きな決断を迫られる2013年シーズンが待っているのかもしれない。
尚、試合後、選手達は、今シーズンを締めくくるアルコールトレーニングを行うべく、いつもの専用施設に直行する予定だったが、泥だらけになった選手達のコンディションを考慮し、冷え切った体にも高いトレーニング効果が得られる、これまでにない新たなトレーニング施設を急遽利用することとなり、場所を移動して、シーズン最後となるアルコールトレーニングが行われた。
本紙取材によって、その新しいトレーニング施設の情報を入手することが出来たので、本紙読者にだけその一部を特別に公開したい。

  

 
溝口付近にあると思われる新トレーニング施設の入り口

  


裸の付き合いで、結束力を高める効果が得られるとするトレーニングルーム

 


しかも、源泉かけ流しのようだ…

溝口温泉 喜楽里

  

この施設の主な特徴として、互いに全裸をさらけ出すことによって、チームの結束力を強めるトレーニング効果があるとされており、実際、ボーイズラブまで発展したかどうかは定かではないが、選手達は、冷え切った体を存分に暖め、一様にリラックスした表情を浮かべながら、後のアルコールトレーニングに備える様子が見られた。
また、選手達が所有しているバットのメンテナンスも行える設備が整っていることから、中には、自慢のバットをサウナと水風呂を用いて、更なるパワーアップを試みる選手の姿もあった。
尚、唯一マネージャーに限っては、池谷の発した「俺たちチームメイトだろ!」の声も届かず、残念ながら、すっぴんをさらけ出すことはおろか、全裸での合同トレーニングを拒否していたことがわかった。
ただし、すっぴんをさらけ出すことによって、むしろチームの士気を下げていた可能性も否定できないことから、懸命の判断であったと言えるのかもしれない。
いずれにしろ、柳澤マネージャーには、この人にならすっぴんでもすっぽんぽんでも晒しても構わないと思える、新人選手のスカウト活動に全精力を傾け、チームの一員としての自覚を、是非とも示して欲しいところだ。

  


同施設内でのアルコールトレーニングの様子。写真手前は別室ですっぽんぽんにはなったものの、すっぴんにはならなかったマネージャーの姿も

   

ということで、まるで罰ゲームかのような最終戦から一転、思いもよらぬトレーニング施設で、充実した時間を過ごし、文字通り一年の垢を落とすこととなったドリームスナインであった。
果たして、2013年シーズンは青空ドリームスにとって、どんな一年となるのであろうか。
本紙では、その行く末を、引き続き追いかけていきたい。

 

 

  

2012年シーズン個人タイトルが決定!

   

最終戦の終了を以って、2012年シーズンの個人成績が確定し、各部門のランキングが決定した。
各タイトルは、下記ご覧の通り。

  

 ■打率
  ①赤堀 .571
  ②稲村 .385
  ③小河原 .375

 ■打点
  ①伊橋 9打点
  ②小河原 6打点
  ③篠崎 5打点 ※参考記録

 ■本塁打
  ①伊橋 1本
  ①篠崎 1本 ※参考記録

 ■最多安打
  小河原 6安打

 ■最高出塁率
  古賀 .750

 ■最多盗塁
  下田代 3盗塁

 ■最多三振
  タケヒロ 6三振

 ■カワハギ
  大島 船中3位

  

打率部門は、度重なるケガを乗り越えて、赤堀が復帰早々に見事首位打者を獲得した。
長きに渡るリハビリによって、チーム内や家庭内での居場所を失っていたが、最終戦で見せた想いが通じたのか、リーディングヒッターという居場所を自らのバットで掴んだみせた格好だ。
一方、打点、本塁打部門では、クリーアップの一翼を担う伊橋が、実力を発揮して見事2冠を達成。
ちなみに、今シーズン、1試合のスポット参戦を果たした篠崎が、乱打戦の利を活かして、スッキリでは無く、ちゃっかりと両部門の上位に規定打席未達ながらランクインを果たしている。
その他、小河原が地味に安定した成績を残して最多安打を獲得すれば、最高出塁率には、意外にも古賀が手中に収めている。
僅か出場2試合にも関わらず5四球も選んでいることが奏効したようで、相手マウンドを制する威圧感は、今尚、健在であることを証明してみせた。
近年は風格も増し、加えて伊勢崎町付近に活動拠点を移すなど、着実にその勢力を伸ばしてきており、かつて鉄砲玉と呼ばれた面影は、もはや過去のものになったと言えそうだ。
以下、盗塁王には、私生活を生き急ぐかの如く塁上も駆け抜けた下田代が獲得し、三振王には、空振りよりもライトゴロの印象しか残らなかったタケヒロが見事に輝いている。
尚、カワハギ東京湾大会に代表選手として出場した大島が、船中3位の成績を残している。

  


船中3位の成績を収め表彰される大島選手

  

更に詳しい個人成績はコチラを参照いただくとして、残念な成績を残した選手にも一言触れておきたい。
今シーズンは、稲村の台頭や赤堀の復活など、中堅選手に明るい話題があった一方で、長らくチームを引っ張ってきたベテラン選手達の凋落が目立つシーズンでもあった。
規定打席に達した中では、角田の2安打を筆頭に、大島、久保田に至っては僅かに1安打でシーズンを終えるなど、彼らの低迷が、そのままチームの低迷に繋がったと言っても過言ではない。
特に、角田GMに至っては、その不安定なキャラクター設定が、もはやチームの理解を超え始めてきており、一体どこへ向かおうとしているのか、なんらかの説明を求める声は日増しに大きくなってきている。
いずれにしろ、オヤジ達にとって厳しい世の中になってきたことだけは間違いないが、ここはチーム一丸となって、オヤジの楽園を築くべく、2013年シーズンも突き進んで行くことを期待したい。

  


果たして、この男は一体どこに向かおうとしてるのだろうか?

  

  
~ Next Schedule ~

= 2013 SEASON OPENING =
DATE : 2013/03/02(sat)
TIME : 11:00~13:00
PLACE : Futagotamagawa Field at Shibuyaku side D

&

= 第1回 チキチキそれでもWBCチケットをお買いますー? =
TIME : 19:00~Last
PLACE : Kraoke no Tetsujin at Jyuugaoka

  

  

  

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