6月2日(土)対恵比寿アタック戦

金庫番長が某銀行の烏山支店で行った不正送金がいけなかったのか、それとも久保田が善良な区民と見なされていなかったからなのか、ここ数年間に及ぶ世田谷区のグラウンド抽選の外れっぷりに様々な憶測を呼んできた事は、青ドリファンならば誰もが知る話なのだが、実は今年に入ってから、そのグランド抽選に異変が見られるようになってきたのをご存知だろうか。

これまで世田谷区のグランド抽選というと、閑散期の冬場にしか当たる事は無く、もはや罰ゲームの様相を呈する事態にまでなっていたのだが、今年は繁忙期にも関わらず、早くも久保田がグランド抽選を引き当てるミラクルを連発しており、今回のシーズン第2戦に至っては、なんと4時間枠でのグランド抽選を見事に引き当て、実は盆と正月が一緒に来てしまったかのような事態となっているのだ。
抽選が外れまくっていた経緯には、それとなく心当たりもあるだけに、今回の異変が意味するところ、何かしらの時効が働いた事は想像に難くないのだが、何はともあれ、グランド抽選同様に、この勢いでもって勝利も引き当て、今シーズンの1勝目を飾りたいところだ。
期せずして240分コースを堪能することになった青空ドリームスにとっては、スタミナに一抹の不安がよぎるものの、オヤジならではのプレイの数々が飛び出す事はもはや必至。
かくして、汁まみれの熱き1日が、今まさに始まろうとする。  

と、ここでいつものオヤジ達であれば、グランドに集まるのと同時に即、汁を撒き散らしてしまいそうな勢いに駆られてしまうところだが、さすがに我慢を憶えたオヤジ達。はやる気持ちを抑えて、90分のトレーニングタイムを過ごした後、30分間の休憩を挟んで、試合本番のプレイに備えるという、なにより持続力維持のための涙ぐましいペース配分でもって、今季2戦目に臨むことに。

ということで、まずは90分間の練習コースから。
すると、練習を始める前から、いきなりグランドに不穏な空気が流れ始める。
この日の一戦に備えて、士気を高めようと事前に先発オーダーを発表していたなんちって監督に対して、なんと、選手の起用ならぬ写真の起用を巡って、チーム内から監督の眼力を疑う批判が公然と飛び交っていたのだ。
一向に勝てないチーム状況に、選手達の苛立ちがピークに達したものと考えられるが、監督の激しい思い込みが、ナイーブなオヤジ達のプライドをいたく傷つけてしまったようだ。
中には「俺はデーモン小暮だ!」と監督に詰め寄る選手も現れるなど、240分コースの開始早々、ドリームスはチーム内に思わぬ火種を抱えてスタートすることとなった。

それでも選手達は、気持ちを切り替えてグランドに降り立つと、攻めのプレイから守りのプレイに至るまで入念な練習を行い、シーズン初勝利に向けた意気込みを漂わせていた。
すると、旦那の晴れ姿を目に焼き付けようと大島の新妻がグランドに駆けつければ、続いて、サンフランシスコから来日中のブライアン元選手が激励に訪れるサプライズがあるなど、大島を筆頭にドリームスナインの士気も一気に高まりを見せると、後は試合開始を待つだけとなった。

  

  


このノックの成果はいかに?答えは4時間後。

  


少年サッカーを見るふりをしながら人妻を盗み見る、高度な動体視力のトレーニングに励むオヤジ2名

  

   

そうした中、試合開始の30分前になると、本日の対戦相手「恵比寿アタック」チームがグランドに姿を現す。
今回の対戦は、草野球の交流サイトを通じて対戦を申し出ていただいたことで実現した初顔の一戦であるのと同時に、ドリームスと同じく、平均年齢がオーバー40のベテランチーム同士の戦いでもあるのだ。
ただし、青ドリをはるかに上回るキャリアや実績に加えて、立派なホームページに、見事なユニフォームの着こなしなど、試合前から明らかな実力差が見て取れ、ドリームスにとっては、かなりの苦戦になることは避けられそうもない。
とはいえ、ここは同じオヤジ同士の一戦だけに、是非ともドリームスらしさを披露して、全力を出し切って欲しいところ。
かくして、試合開始予定時刻の15時を迎え、二子玉川グランドの平均年齢を押し上げるオヤジ同士の戦いがいよいよ始まった。

写真入の先発メンバーはこちら

初回先行はドリームス。
先頭の渡辺直美が敵失で出塁すると、バスケ稲村が安打で続き、この日3番に入った槍投げ梅川が走者一掃のタイムリー2塁打を放って、いきなり2点を先制し、幸先の良いスタートダッシュを決めて見せる。
ところが、その裏の先発マウンドに登った小河原が、味方のエラーも手伝って一挙に5点を奪われてしまい、いとも簡単に逆転を許してしまう。

すると今度は、2回表の攻撃で大島が、いつもは見せることのない力士顔負けの気迫が実ったのか、相手のタイムリーエラーを誘ってすかさず1点を返して、すぐさま2点差に迫ってみせる。
しかし、またも小河原が相手打線の巧打の前に持ち堪えることができず、2、3回と立て続けに2失点を許してしまうと、次第にドリームス打線にも序盤の勢いが見られなくなり、スコアボードに「0」の数字が並ぶようになる。

中盤に入ると、なんとか流れを変えようと、4回途中からオリンピック代表を目指す梅川をマウンドに送り、残りの守りを2失点に凌いで、味方打線の奮起を促したものの、リリーフ投手に中学生を起用してきた恵比寿アタックチームの継投を打ち崩すことが出来ず、3対11の大差で試合は終盤の6回を終了する。

  

  


三振に倒れ、納得がいかない様子の伊橋選手

  


突然キャッチャーに襲い掛かるオヤジ?

  

  

そうして迎えた、日も暮れなずむ最終7回表ドリームスの攻撃。
それまで打ちあぐねていた中学生投手に対して、最後の悪あがきとばかりに、ようやくドリームス打線がオヤジの意地を見せる。
この回先頭の小河原がしぶとく内安打で出塁したのをきっかけに、アダルトな口撃も交えながら中学生投手の動揺を誘うと、ここぞとばかりに、畳みかけるような反撃を開始し3点を奪ってみせた。
まさに、その昔、同じように豪速球を投じる中学生投手を相手に、思春期の琴線に触れる言霊でもって、乱調に陥れて攻略したことを思い起こさせる、恥知らずなオヤジ集団による、大人気ない戦法で粘りを見せるドリームス。
ようやく土壇場の最終回になって、試合の流れが完全にドリームスに傾くと、べンチのボルテージも最高潮に達し、尚も追加点のチャンスで角田が打席に入る。
グランドの誰もが息を飲み、ドリームスベンチの期待を背負った角田のバットに注目が集まったその瞬間、審判から思いもよらぬ一言が発せられた。

「ここで、ゲームセット!」

「えっ~!」
突然の試合終了に、思わず雄叫びを上げながら、ひっくり返るドリームスベンチ。
一方、安堵の表情を浮かべる恵比寿アタックチーム。
そして、真っ先に帰り支度を始める審判…?!

実は、最終回のドリームスの猛攻にグランドにいる誰もが時間を忘れて試合に没頭する中、角田の前に打席に入っていたエスパー伊東に発破をかけるべく放たれたドリームスベンチからの野次が、あろうことか、審判の心を揺り動かしてしまうイリュージョンを起こしていたのだった。

「早くヒットを打たないと、駐車場が閉まっちゃうよ!」

そう、まさに時計の針が指し示そうとしていた17時は、グランドの終了時間であるのと同時に、駐車場の閉門時間でもあったのだ。
恐らく、この野次を聞いた瞬間に、最終回の行方が決まるまで審判の勤めを果たすことよりも、自分の車の行方の方が気になってしまったに違いない。

呆気に取られ、呆然とグランドに立ちつくしたままのドリームスナインは、ダッシュで精算を済まして引き上げていく審判の背中を見送るしか他なかった。
一方、最終回の跡形も残さずグランド整備を終え、挨拶を交わしながら、こちらも足早に引き上げていく恵比寿アタックチームの皆さん。
そして、人気の無くなったグランドには、試合への未練を残して着替えもままならないドリームスナインの姿だけが残された。
まさに、予想だにしない突然の試合終了によって、最終回のドリームスの猛攻は夕日と共に儚く消え去り、3対11という敗戦のスコアだけが虚しく刻まれることとなった。

 

DREAMS | 2 1 0 0 0 0 3 |  3
A T A C K| 5 2 2 2 0 0 x | 11
※詳しい成績・結果はコチラ


打っては2点タイムリーヒットに投げては好リリーフの大活躍を見せた梅川選手

  


打っては2三振に守ってはエラーを連発し、グランド抽選で全てを使い果たした久保田選手

  

これで今シーズン開幕2連敗となり、またも勝利の二文字が遠ざかってしまった青空ドリームス。
まぼろしの最終回で猛攻を見せるなど、文字通り記録よりも記憶に残るプレーでドリームスらしさを発揮してくれたものの、やはり試合となると、実力不足は否めない残念な結果となってしまった。
試合を振り返ると、まさにチーム内に発生した火種が暗示していた通り、小河原がマウンドで大炎上を起こせば、久保田は、グランド抽選で使命を終えてしまったのか、覇気の無い守備で火に油を注いでベンチの怒りを買う始末。更に大島に至っては、センターへの飛球を、前進→万歳→転倒というオヤジの三大お約束プレーでもって失点を招いて、応援に駆けつけた新妻のハートを思いっきり冷ましてみせた。
その他、角田の笑いもボールも取れなかったまさかのポロリや、下田代の本能に赴いたフィルダースチョイスなど、益々安定感の増した不甲斐ないプレーで、オヤジの存在を誇示してみせるドリーマー達であった。
一方、稲村が3本のフリースローもといヒットを固め打ちしてみせれば、梅川もリリーフ登板で存在感を示すなど、次戦に繋がるプレーも随所に見られたことから、勝利を確実に手繰り寄せるのも、後はオヤジの発奮次第ということになりそうだ。

  


エラーブラザーズ

  


直美じゃないというなら、誰なんだ~?!

  


久々の磯丸トレーニングの様子。奥にはやっぱり渡辺直美の姿が…

  


お~!ブライアンだぁ!

  


この日、一番の活躍を見せた、かに味噌の浜焼き。ブライアンも苦手を克服した逸品。

  

次回は、過去幾度と無く接戦を繰り広げてきた好敵手でもある、新国立劇場との試合がナイターで予定されており、次戦でこそ、今シーズンの初勝利を、青スポとしてもお届けしたいところだ。

=青スポ編集部=

  

~ Next Schedule ~

Night Game
DATE : 2012/06/23(sat)
TIME : 19:00 ~21:00
vs NEW NATIONAL THEATRE
PLACE : Heiwajima Ball Park at Shinagawaku

  

DATE : 2012/07/14(sat)
TIME : 11:00~13:00
PLACE : Futagotamagawa Field at Setagayaku

 

  

  

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