9月29日(土) 対恵比寿アタック戦

シーズン後半の初戦が雨で流れたこともあり、実に3ヶ月ぶりとなる実戦を迎えようとする青空ドリームス。
ところが、試合日が近づくにつれ、あろうことか、なんと二つの台風が日本列島に接近し、試合開催はほとんど不可能だと思われて迎えた週末の土曜日。
久々の参加となった尊師毎熊のお力なのか、はたまた、マネージャー業を投げ出して柳澤が行方をくらましたことで、すっかり呪いが解けてしまったからなのか、まさに二つの台風の間を縫うようにして、奇跡的ともいえる青空が聖地二子玉川の上空に広がり、これ以上無いコンディションで試合が行われることとなった。

この日の対戦は、前回、駐車場の閉門時間が気になり、試合どころではなくなった審判の強制終了によって、ドリームスの反撃が幻のままに終わり、あえなく敗戦を喫した相手でもある、恵比寿アタックチームの皆さん。
ドリームスと同じく音楽業界出身のチームながら、ドリームスよりも遥かに長い活動歴を誇り、百戦練磨の実力者を揃えたチームだ。
とはいえ、いかなる実力差があろうとも、同じオヤジ同士の戦いに、試合前から勝負を諦める訳にはいかない。
今回は、色々持っている?ドリーマー達も出場することから、試合終了まで目を逸らすことが出来ない試合になりそうだ。
そんな青空ドリームスの先発メンバーはご覧の通り。

  = STARTING ORDER =

  1 1B / Takehiro
  2 C  / Inamura
  3 2B / Akahori
  4 SS / Ihashi
  5 3B / Ogahara
  6 RF / Maikuma
  7 DH / Kubota
  8 P  / Umegawa
  9 CF / Oshima
  10 LF / Nozaki

欠場の下田代に代わって、道具係を臨時で引き継いだ毎熊が先発出場を果たしている。
尖閣問題など、どこ吹く風とばかりに、夜の日中友好活動と同様に、敵味方関係なくグランドを翻弄するプレーが飛び出すのか注目が集まる。
更にこの試合は、度重なる肩の脱臼から、手術、長期リハビリを経て、ケガからの復活を狙う赤堀の復帰初戦にもなっており、チームとしても勝利で祝いたいところだ。
かくして、台風の合間で季節外れの強い日差しが照りつける中、遅ればせながらのシーズン後半戦がいよいよ始まった。

初回表、守りに着くドリームス。
先発のマウンドには、この日、グランドデビューを果たした愛息「秀平(ヒデヘイ)」の前で、なんとしても父親の存在感を見せつけたいとする梅川が登り、恵比寿アタックの攻撃を迎え撃つ。
ところが、いざ試合が始まってみると、3ヶ月ぶりの実戦ということもあってか、ただでさえゲーム感の無いドリームスナインに浮き足立ったプレーが続出し、四球やエラーに相手のヒットが重なり、いきなり4点を失ってしまう。

一方その裏、ドリームスの攻撃。
先頭のタケヒロが、相手先発投手の華麗なフォームから繰り出される速球を、ものの見事にライト前へと鋭く打ち返し、いきなり反撃ののろしを上げてみせる。
まさに劣勢を跳ね返さんとする当たりに、一気に湧き上がるドリームスベンチ。
ところが、さぁ反撃開始!とナインが盛り上がったその瞬間!一瞬にして歓声が悲鳴へと変わる出来事が訪れる。
  

 
先制された初回裏、先頭打者でいきなり鋭い当たりをライト前に放ってみせるタケヒロ選手
  

鋭い当たりにドリームスベンチが歓喜に包まれる中、打感の余韻に浸りながら、1塁に向かって悠々と走り出すタケヒロ。
バットから放たれた打球は、転々と一直線にライトへ向かって転がっていく。
と、その瞬間、チームの指示で前身守備をしていた相手ライトが、俊敏な動きでもってボールすくい上げる。
それを見て、慌てて必死に走り出すタケヒロ。
そして、素早くライトからファーストに送られるボール。
グランドの誰もが息を飲んだその瞬間…
「アウト!」と審判のコールが響き渡った。

なんと、先頭打者の鋭い当たりが、まさかのライトゴロ(笑)
そう、草野球の中でも屈辱的と言われる、あのライトゴロ。
ドリームスベンチが全員ずっこける中、1塁キャンパスの向こうで、力無くうな垂れるタケヒロの姿があった。

まさに、誰も予想だにしない先頭打者のライトゴロで、いきなり出鼻を挫かれてしまったドリームス。
それでも、気を落とす事無く反撃を開始する。
ざわついたベンチを他所に、続く2番の稲村が死球を受けて1塁に歩くと、今度は、この日の試合を誰よりも強い想いで迎えていた赤堀が打席へと向かう。

前身チームのファイヤースターター時代には、4番で捕手を務め、主軸選手として、チームに欠かせない活躍を見せていた赤堀。
そのまま栄光の道を突き進むかと思われていた矢先、とある試合前のキャッチボールで左肩を脱臼してしまうと、そこからが苦難の日々の始まりだった。
治りかけたのも束の間、後の試合中にクロスプレーで再び肩を脱臼すると、しまいには寝返りですら肩が外れる程に悪化。
もはや満足なプレイが出来ない状態に、チーム内だけでなく家庭内?でもポジションを失い、絶望の淵にまで追いやられてしまう。
それでも、決して野球を諦める事無く、再びグランドに立つ日を信じて肩の手術を決断すると、その後の苦しいリハビリを乗り越えて、遂に、この試合で再びグランドに戻ってきてくれたのだ。

そんな赤堀の登場に、復帰を待ち望んでいたドリームスナインが、拍手と歓声でかつての4番をバッターボックスへと送り出す。
そして、万感の想いを胸に抱いて打席に入る赤堀。
果たして、復帰を自らのバットで飾ることができるのか?!
相手投手が投球動作に入り、赤堀のバットにベンチの視線が注がれると、次の瞬間、またしても一瞬にして歓声が悲鳴へと変わる出来事が訪れる。
  


見事、ケガからの復帰を果たした赤堀選手
  

チームの声援を背中に受け、やや緊張の面持ちで赤堀が打席に入って構えると、早速、相手投手が鋭いストレートを投じる。
すかさず、バット強く握り締め、足を踏み込む赤堀。
息を飲むドリームスナイン。
と、次の瞬間!
  
「ボコォ~ン!」
  
鈍い音がグランドに響き渡った。
ん?
明らかに打球音とは、何かが違う。
不思議に思ったナインが赤堀に視線を送ると
そこには、側頭部を手で押さえて、グラつきながら苦笑いをする一人のオッサンの姿があった。

なんと、念願の復帰初打席が、まさかの頭部へのデッドボール。
プロ野球なら危険球退場を宣告されてもおかしくないデッドボールだ。
呆気に取られるナインを他所に、フラフラと一塁方向に歩き出す赤堀。

しかし、なんという星の下に生まれた選手なのだろうか。
これまでにも、試合中止を知らずに一人グランドに現れてみたり、助っ人参加した試合では一張羅の眼鏡を割ってしまったり、そして今回、ケガからの復帰戦初打席で頭にデッドボールを受けてしまうとは…
まさに、ここぞという場面で爆笑を誘う毎熊の奇跡を呼ぶプレイとは対照的に、なぜだか悲哀が伴う数々のプレイを披露してしまう赤堀。
もはや、裏レジェンドの称号は、彼の為にあると言っても過言ではないだろう。

幸い、本人にダメージもあまり見られず、そのまま試合は続行。
しかし、この体を張ったプレーが、ドリームス反撃の口火となる。
立て続けに死球を与えて動揺したのか、相手投手の制球難が収まらず、四球による押し出しで1点を返すと、久保田にボテボテのタイムリー内安打も飛び出し、すぐさま2点を返して2点差にドリームスが詰め寄る。

続く2回の攻防に入ると、今度は一転して膠着した展開で試合が進んでいく。
先発梅川とドリームス守備陣が粘りのプレーで、相手攻撃陣の追加点を凌いで見せると、相手投手も制球難から立ち直りをみせ、まるで岩隈の如くしなやかなフォームから低めの速球が決まりだし、ドリームス打線を完全に封じ込める。
ゲーム内容では恵比寿アタックが青空ドリームスを圧倒しながらも、両チーム共に、追加点を奪えないまま試合は終盤へと向かっていった。

すると、4対2のままで迎えた5回表。
それまで凌いできたドリームス守備陣が、遂に持ち堪えられず3点を失ってしまうと、6回表にも梅川から変わった小河原の制球難をきっかけに更に追加点を奪われるなどして、9対2と大量リードを許してしまい、残すは、7回の裏ドリームス最後の攻撃のみとなった。

  

  


ドリームス史上初の親子鷹誕生なるか?!この日、グランドデビューを飾った未来のエース「秀平」 

  


と、その名付け親の二人

  

相手投手の華麗なピッチングの前に、三振と凡打の山を築くばかりのドリームス打線だったが、最終回の攻撃を迎え、先頭の梅川が2塁打を放って出塁すると、野崎の内野ゴロの間に1点を返し、最後の最後で辛うじてオヤジの粘りを披露するドリームス。
が、しかし、オヤジの粘着力も、もはやこれまで、
初回のライトゴロで、とっくに粘り気を失っていたタケヒロが、あえなく三振に切って取られたところで試合終了。
前回同様に、最後で少しの抵抗は見せたものの、終わってみれば、実力差を見せつけられての敗戦となった。

 A T A C K| 4 0 0 0 3 2 0 | 9
 DREAMS | 2 0 0 0 0 0 1 | 3
 ※詳しい成績・結果はコチラ

試合前に不安のあった守備では、各選手それなりに健闘したものの、打撃においては、一線級の投手の前に、まったく手も足も出させてもらえなかった。
結果的には、テンポ良く試合は進んで7回フルイニングまで戦うことは出来たが、やはり、勝負どころで失点に繋がるミスが出てしまったり、打線も実に11三振を喫するなど、その実力差にはいかんともしがたいものがあったと言える。
しかし、それでもチャンスが全く無かった訳ではない。
初回、制球に苦しむ相手投手を崩しきれなかったことや、3回と6回にそれぞれ先頭打者が出塁したにもかかわらず、後続がいずれも3者三振に倒れてしまっており、最終回でみせたような、先頭打者の出塁を繋いで得点に結びつけるような攻撃が、試合全般で発揮されていれば、違った試合展開になっていたことも考えられ、実力差があったとはいえ悔しさが募る敗戦となった。

しかし一方で、未来のドリーマーでもある「秀平」がグランドでお披露目を果たしてみれば、見事ケガからの復帰を果たした赤堀が、裏レジェンドの称号を欲しいままに奇跡的なプレイを見せるなど、相変わらず賑やかな話題が満載のドリームスらしい試合でもあったと言えよう。

  


試合後、感慨にふける赤堀選手。それとも死球の影響で意識が朦朧としているだけ?

  

  

尚、選手達は、試合終了後、河川敷にある掘っ建て小屋で行われたアルコールトレーニングで、いつものように汁を流したものの、この日の敗戦がよほど悔しかったからなのか、ライトゴロ、3三振と全くいいところが無かったタケヒロや、角田GMの無茶振りが恋しくなってきた稲村ら複数の選手達が、更にハードなトレーニング環境を求めて、大井町のトレーニング施設に向かう姿が見られ、かなり充実したトレーニングを行った模様だ。
ちなみに、その動向が謎のまま試合から遠ざかっている角田GMだが、本紙取材の調べで、この日は都内にいたことが明らかになっている。
一方の柳澤マネージャーは、未だ沈黙を守っている様子だ。
果たして、次戦では、その姿を拝むことができるのか、ドリームスの勝利の行方と同時に二人の行方も気になるところだ。

  

~ Next Schedule ~

DATE : 2012/10/27(sat)
TIME : 13:00~15:00
PLACE : Futagotamagawa Field at Shibuyaku side C

   

*** Four Hours Special ***
DATE : 2012/11/10(sat)
TIME : 11:00~15:00
PLACE : Hanegi Park

  

   

  

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