青空スポーツ新聞 11月6日(土)激闘!

11月に入り、2010年度シーズンの終わりが近づく中、絶好の草野球日和で迎えた6日土曜日の多摩川グラウンド。
残す試合数も僅かとなり、この試合に勝てば、暫定ながらシーズン勝ち越しが決定する、大事な一戦を迎えた。
そんなドリームスに対するのは、ミュージシャン界の強豪チームに所属する傍ら、今戦が初陣となる、西寺郷太(NONA REEVES)率いるSUNKINGチーム。
初対戦の相手には、無類の強さを誇っている今シーズンのドリームスではあるが、西寺選手は、かつてドリームスに助っ人として参加した経歴もあり、油断出来ない対戦相手だ。

かくして、負ける訳にはいかない一戦を前に、4番打者としての自覚が芽生えてきたのか、伊橋が試合開始の2時間前に早くもグラウンドに姿を見せ、その後、駅前のスターバックスで黙々とイメージトレーニングに励んでいたように、各ナインが、気合いをみなぎらせながら二子多摩川に集結し、試合開始を待つこととなった。

この日の先発メンバーは下記の通り。
相手打線が手強いとの直前情報が入り、予告オーダーから守備と中軸打線を若干入れ替えて臨んでいる。

 
=STARTING ORDER=
  1 CF / MIYAZAKI
  2 LF/ KAKUTA
  3 C / SHIMOTASHIRO
  4 SS / IHASHI
  5 3B / OGAHARA
  6 RF / KUBOTA
  7 P / UMEGAWA
  8 2B / KAWASAKI
  9 DH / SONODA
10 1B / TAKEHIRO
11 DH / MAIKUMA
 

試合開始を今かと待つドリームスナインとは対照的に、さすがはミュージシャンチームの集まりなのか、試合時刻にも関わらずスローライフな相手ベンチ。
文系サークルの匂いを漂よわせながらアップを行う彼等を横目に、ドリームナインの勝利の確信が高まっていく中、20分遅れでいよいよ試合が開始された。

ドリームスの守りから始まった初回。相手先頭打者の鋭いライナーをショート伊橋がいきなり好捕してグラウンドを沸かせると、2番打者を三振、続く3番打者にはテキサスヒットを許したものの、後続をファーストフライに打ち取って、エース梅川が上々の立ち上がりを見せる。
その裏ドリームスの攻撃。守りでの勢いに乗って先制点を奪おうと息巻くナインであったが、相手先発の西寺投手のまさかの投法にドリームス打線が翻弄される。
チーム随一の肉体とスピードを兼ね備えた、先頭打者のラガーマン宮崎に対して、西寺投手が投じたボールは、なんとハエが止まらんばかりの、山なりの超スローボール。
打ち気にはやる宮崎をあざ笑うかのように、ストライクゾーンを斜め上から横切りながらキャッチャーミットに吸い込まれていく一投に、バットが虚しく空を切り、ベンチの期待とは裏腹にまさかの三振を喫してしまう。
続く2番の角田がヒットで出塁したものの、3番下田代がピッチャーゴロ、4番伊橋がライトフライに倒れ、クリーンアップもあっけなく打ち損じて初回の攻撃を終えている。

2回に入ると、SUNKING打線の鋭い当たりがをドリームス守備陣を襲うようになる。これを梅川が辛うじて凌いで味方の反撃を待つものの、打線の方は相変わらず、スローボールの術中にハマって凡打の山を築くばかり。
焦る気持ちだけが先行し、気が付けばドリームス守勢のゲーム展開で試合は進んでいった。
そうして迎えた3回表の守り。先頭打者の放った浅いレフトフライを取ろうと、勢い良く角田が前進してくると、何を思ったか正男万歳!を唱えて、これを後逸。いきなり無死二塁のピンチを迎えることに。
すると、動揺を隠し切れなかったのか、梅川が後続を退けたものの、2暴投から、やらずもがなの先制点を与えてしまい、遂に均衡が破れてしまう。

序盤から、攻め込まれては打ちあぐねる苦しいゲーム展開ながらも、なんとか耐え凌いで反撃のチャンスを伺っていたドリームスに、4回の裏を迎えたところで、ようやくその機会が訪れる。
1死後、3番下田代がライト前にヒットを放つと、すかさず盗塁を決める。ここで走者を得点圏に置いて迎えるは、ノミの心臓を持つ主砲4番伊橋。
これまで、類稀な長打力を持ちながら、これまた類稀なチキンハートを併せ持ち、チームの期待を裏切り続けた男に、ようやくスターバックスの女神が微笑みかける。
スローボールを引き付けて放たれた打球は、はるかライトの頭上を鋭く越えるライナー。瞬く間に外野を転がる打球を背に、下田代をホームに迎え入れると、自らもダイヤモンドを駆け抜けて一気にホームイン。
数年振りに見るホームランに、ドリームスベンチの活気を取り戻すのと同時に、劣勢を跳ね返す貴重な逆転2ランとなった。

しかし次の5回、相手も簡単にゲームの流れを渡してはくれない。
ヒットで出塁した先頭打者が、梅川の暴投の間に3塁まで進むと、サードゴロを処理する小河原の送球の隙を狙ってホームインを果たしてすぐさま追いつき、そつのないプレーでドリームスにプレッシャーを与えてくる。
一方のドリームスも、その裏の攻撃で、2死から毎熊がセンター前にヒットを放つと、欽ちゃん走りの激走を見せて、相手守備陣の混乱を誘って2塁を陥れるダーティーなプレーを披露。
すると、フォースに導かれるように、後続の宮崎、角田、下田代に連続安打が飛び出し、毎熊をバリアフリーでホームに迎え入れるチームプレイを見せつけて、貴重な勝ち越し点を奪って見せる。
更に満塁となり、ドリームスベンチが最高潮の盛り上がりに達する中、バッターボックスに向かうは、前の打席で逆転ホームランを放っている4番伊橋。
チームの思いを乗せて鋭く振り抜いた一打は、またもやライト方向へのライナー。ドリームスの勝利を決定付ける一打になるかと思われたが、これを相手外野手が猛烈なスライディングキャッチを試みて、見事に捕らえてみせる。
ドリームスに傾きかけた試合の流れを、SUNKINGが奪い返す執念を見せつけて、5回の激しい攻防を終えると、膠着状態のままゲームは終盤に入っていった。


一見するとナイスバッティングのようにも見えるが… 実際は、超遅球に焦らされて、自慢のバットが我慢できなかった毎熊選手


打撃は今ひとつだったが、セカンド守備で、義兄と息の合った?牽制プレーを披露してみせた川崎元工作員

 

強肩、堅守を誇る鉄壁の守備に、芯を外さない鋭い打撃で、試合前の雰囲気とは打って変わって、スポーツマン全開の攻守を披露するSUNKINGに対して、再三得点圏に走者を許しながらも、一度もやった試しの無いランダウンプレイを決めるなど、はるかにキャパシティを超えたプレーを連発しながら、凌いでみせるアラフォードリームス。
まさに、手に汗握る文字通りのゲーム展開に、両チーム追い詰められながらも緊張感を切らすことなく、6回まで速いテンポでゲームが進み、ついにドリームス1点リードのまま、最終回を迎える。
この回を無失点で抑えれば、勝利となる7回表ドリームスの守りであったが、ここに来てもなお、最後の一球一打までゲームの行方がわからない厳しい展開が待ち受ける。
  
これまで何度も苦しい場面を凌いできたドリームスであったが、出してはならない先頭打者にヒットを許すと、すかさず盗塁を決められ、いきなり同点のピンチを背負ってしまう。
ここで、梅川が次打者をなんとか三振に仕留めて粘りを見せるが、続く打者の時に暴投を犯して同点のランナーを3塁まで進めてしまうと、堪らず四球を与えて1死1,3塁とされ、この試合最大の局面を迎えてしまう。
一切のミスが許されない状況に、ドリームス守備陣が緊張で強張る中、エース梅川が残された力を振り絞り2死まで漕ぎ着けると、最後の打者が放った打球はショート伊橋への凡フライ。これを伊橋が慎重に掴んでドリームス史上稀に見る死闘を制して、緊迫した戦いに終止符を打ってみせた。
  
ここで、いつもの調子であれば、勝利に歓喜するドリームスナインの姿が見られるはずなのだが、この日に限っては、口数も少なく、安堵の表情を見せる選手達。この一戦の厳しさを物語るように、秋風に変わって疲労感をグラウンドに漂せながら、今シーズンの勝ち越しを決めてみせた。

 
  

かつて無い緊迫した戦いに、疲労とフラストレーションの溜まる試合ではあったが、劣勢の中でも、勝利を掴み取れたことで、チームの成長が感じられる充実した一戦でもあった。
ゲームスタッツからも、その成長ぶりを伺い知ることが出来る。
攻撃面を分析してみると、スケベ椅子でトレーニングを行った選手と、単なるスケベな選手達が、総じて打撃で好成績を残しているのだ。
まさにこれは、サマーキャンプでの成果が実を結んだ表れであり、直前の打線の組み換えと相まって、得点に結びつく集中打を生み出したと言えよう。
今後ドリームスナインには、毎熊選手や大島選手の厳しい夜の指導の下、より一層スケベ心に磨きをかけて、試合に臨むよう期待したいところだ。
一方守りでは、牽制球からのランダウンプレイや、僅か一つの失策数が示すように、安定した守備力を披露し、試合終盤まで集中力を切らすこと無く、プレーすることが出来ていた。
失点については、いずれも先頭打者の出塁を許し、失策や暴投を絡んで得点を与えてしまっており、自分達で悪い流れを作ってしまったことが、悔やまれる。
プレッシャーを受けていたとはいえ、これらが苦戦の原因に繋がっていったと言えよう。
しかしながら、いずれも最小失点で切り抜けていることから、守備においては着実にレベルアップが図れてきているとも考えられ、成長の様子が伺える。

続いて各選手別に見てみよう。
なんと言っても、見事7回完投で勝ち投手となった梅川の好投が光る。暴投で許した失点を除けば、散発の被安打7、自責点1に抑えた粘りの投球は見事の一言。
そんなエースの好投を引き出し、ピンチキャッチャーとして最後までマスクを被り続けた下田代の大健闘も見逃せない。打撃でも2安打を放ち、貴重な勝ち越し点を叩き出すなど、攻守に渡って活躍を見せてくれた。
某田中チームのように、マスクを被らないプレーが、今後の課題として残ったものの、稲村捕手に戦線布告を宣言するなど、自信を深めており、新生バッテリ-の誕生となるのかもしれない。
更に、この試合のハイライトと言っていい、逆転の2ランホームランを放った伊橋の一振りを忘れてはならない。
昨年のチーム参戦以来、ノミの心臓と言われ続けてきた男が、午後1時と午前11時を思い違うほどのハイテンションで臨んだこの日、2時間近く呑み続けたスターバックスのコーヒーのほろ苦さが、ちょっぴり大人の自信を彼に与えてくれたようだ。
遂に機械からではなく、生身の人間からホームランを放ったことで、素人童貞を卒業したかの如く、男の自信を得たことは疑いの余地は無いであろう。果たして、これから公私共に大ヒット連発となるのか、行く末を見守っていきたい。
  
その他、チームが苦戦する時に限って、何故だかヒットを放つ毎熊のお約束プレーや、今回の対戦カードの実現を働きかけた久保田が、2安打を放つなど、随所で活躍を見せている。
一方、角田が、精細を欠く守備で存在感を示し始めているのが、どうにも気になった。残念ながら、まだ毎熊の足元にも及んでおらず、殿堂入りを狙うには時期尚早のようだが、はたして本人は何を狙っているのであろうか?
更に、園田選手に至っては、存在感を欠いたプレーで存在を示すというパラドックス現象に陥っている感があり、記憶に残るプレーを是非とも披露して欲しいところだ。

いずれにしろ、厳しいゲーム展開の中、ここぞというところで集中打を放つドリームスの持ち味が出せた一方で、守りきる野球を新たに披露して勝ちきった今回の経験は、必ずやこれからの試合にも活かされることであろう。
シーズン最終戦を予定している次戦では、自信に満ちた青空ドリームスらしいプレーを披露し、今シーズンの集大成となるゲームを見せてくれることは間違いなさそうだ。

 


攻守に渡って大車輪の活躍を見せ、勢い正捕手争いに名乗りを挙げた下田代選手。 マウンド上は超遅球を投げ込む西寺投手

  


巧みな走塁で、相手守備を混乱に陥れてみせる毎熊選手

 


次回こそは存在を知らしめるプレーを期待したい園田選手

 

尚、試合後の磯丸トレーニングルームにて、その動向が注視される球団歌に関して、アーティスト名が発表されるなど一部情報が明らかになった。
気になるそのアーティスト名だが、今人気の「いきものがかり」にインスパイアされたと伝えられており、デビューライブは彼等のオープニングアクトを狙っているとのこと。
リリースに際しては、タワーレコードの全面バックアップの元で進行しており、近々ボーカルオーディションを行うとの情報もあるようだ。
現時点で判っている詳細は下記の通り。

■アーティスト名 / しにものぐるい
■曲タイトル / 未定(作詞:未定、作曲:ノミーズ伊橋)
その他未定
※噂されているメンバー /  
プリティ角田(ドラム)、アングラー大嶽(ギター)、グル・マイクメン(ベース)、わりー池谷(ギター)、正男(ボーカル)他候補者多数

最終戦で、更なる情報が明らかになるかもしれない?!
青スポ新聞では、引き続き独占レポートを敢行していくので、こちらもお楽しみに!

= 青スポ編集部 =

  

~ Next Schedule ~

DATE : 2010/12/18(sat)
TIME : 13:00~15:00
PLACE : Futagotamagawa Field at Shibuyaku

 


You are The Man!!

  

  

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